耳管開放症・耳管狭窄症とは?
中耳腔は鼻の奥とつながっています。中耳腔と鼻の奥をつなぐ器官を耳管と呼びます。耳管は通常ふさがっていますが、あくびをしたり、ものを飲み込む時に一瞬だけ開きます。この働きによって中耳腔の気圧は外気圧と同じに調整されています。しかし、耳管がきちんと開かなかったり、開いた状態が続くと、様々な症状が出現します。耳管がきちんと開かない疾患を耳管狭窄症、きちんと閉じない疾患を耳管開放症といいます。
耳管狭窄症は、副鼻腔炎やアデノイドの肥大などによる耳管の圧迫が原因になります。耳管狭窄症がきっかけで腫瘍が発見された例もあります。
耳管狭窄症では飛行機に乗ったときに耳に激しい痛みを起こしたり、中耳炎の原因になることがあります。
耳管開放症はカゼ、急激な体重の減少、妊娠や出産、ストレスなどが原因になります。
耳管開放症では自分の声が響いて聴こえたり、自分の呼吸音に悩ませられることがあります。また、聴力に異常が現れないために、受診した医療機関で「正常です」と言われてしまう場合もあります。
耳管開放症・耳管狭窄症の治療方法
耳管狭窄症は、原因疾患に対する治療が基本です。原疾患が副鼻腔炎の場合には鼻の治療、アデノイドの場合には手術を検討することもあります。また中耳の貯留液を取り除くため、耳管通気を行いますが、保存的な治療で改善しない場合は鼓膜切開や鼓膜に換気チューブを取り付る場合もあります。
耳管開放症は最近漢方薬の有効性が認められ、注目されています。
改善しない場合には、耳管周囲への脂肪やコラーゲンの注入、耳管へのバルブの挿入などを行っている施設もあります。