耳鳴り

耳鳴りはどうして起こるの?

耳鳴とは、「外界から正常の音刺激がないのに耳の中、あるいは頭蓋の中に音が感じられること」と定義されています。
耳鳴は通常、当人だけにきこえるもの(自覚的耳鳴)のことを言いますが、まれに他人にも聞こえる耳鳴(他覚的耳鳴)もあります。耳鳴のほとんどは自覚的耳鳴であり、通常、耳鳴といった場合にはこの自覚的耳鳴を指します。

一時的な耳鳴りは誰にでも起こりうる現象です。ほとんどの場合、様子を見ていても問題ありませんが、稀に重大な病気の兆候として耳鳴が現れる場合もあります。片耳だけの場合、突然始まった場合、聴力の低下を伴う場合などはすぐに耳鼻咽喉科を受診して診察を受けることをお勧めします。

加齢性変化による耳鳴りの治療方法

加齢変化による耳鳴りは、弱ってきた聴力を脳が補おうとして、実際には鳴っていない音を知覚してしまう現象です。人間の本能には、環境に予期せぬ変化が起こると、反射的に「注意」を向けるプログラムが備わっています。急に鳴りだした音に対しても本能的に命の危険を想定して「注意」が向けられてしまいます。

しかし、きちんとしくみを理解し、危険ではないとわかれば、不安がなくなり、「注意」を向けることがなくなってきます。

耳鳴りの原因があきらかな場合は、その原因に対する治療を行います。
原因が明らかでない場合や加齢など原因が取り除きにくい場合には、これを治す特効薬はありません。このような場合には症状に対する治療を行います。一般的には耳の血流を安定させる薬や神経の働きを整えるビタミン剤などを処方しますが、漢方薬が有効な場合もあります。

また、補聴器を使用して、十分な音を入れることによって、耳鳴りが楽になる例もあります。

さらに、高血圧や糖尿病などの持病がある場合には、それらをきちんと治療することによって耳鳴りが軽快することもあります。

どうしても耳鳴りが気になってしまう方は、うつ病を合併している場合もあります。この場合は、専門医に紹介いたいします。