アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎とは原因物質(アレルゲン)を吸い込んだときに、くしゃみ、鼻水、鼻づ まりなどの症状があらわれる疾患です。
アレルゲンにはいろいろな種類がありますが、花粉やハウスダストが原因の方が多く、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎を花粉症と言います。
花粉症は原因となる花粉の飛散時期によって症状の現れる期間が異なります。また、ハウスダストやダニのアレルギーの場合は1年を通じて症状が出現します。おもな症状はくしゃみ、鼻水、鼻づ まりですが、スギ花粉症では目のかゆみや咳を伴う場合もあります。
検査について
アレルギーの原因物質を調べて、対処の方法を指導します。検査方法は採血が一般的ですが、当院では指先から少量の血液を採取して行う簡易検査も行っています。
治療内容
- 薬物治療
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬(ヒスタミン等の化学物質の遊離を抑制する薬)、ステロイド点鼻薬などを使用します。漢方薬を組み合わせることもあります。当院ではこれらの薬を患者さんのそれぞれの状態に応じて使い分けて症状の改善をはかっていきます。患者さんごとのライフスタイルに合わせて、薬の強さや眠くなりやすさなどを考慮に入れて処方を選択します。最近は薬局の店頭で購入できるものも増えてきましたが、内服薬による眠気、市販の点鼻薬の長期使用は鼻づまりの悪化をまねきます。市販薬を使用しても症状が段々ひどくなる場合には耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。 - 手術治療
手術は鼻の粘膜の切除や症状を引き起こす神経の切断などによって症状を軽快させる治療法です。一般に入院で行いますが、当院では日帰りで可能な手術として鼻の粘膜を焼いてしまう「レーザー焼灼(しょうしゃく)術」を行っています。レーザー焼灼術とは、レーザーで鼻粘膜を焼くことによってアレルギー反応を起こりにくくする治療です。入院して行う手術に比べて身体の負担が少なく、副作用が起こりにくいのがメリットです。
手術は局所麻酔液を染み込ませたガーゼを鼻内に入れ、約1時間かけて麻酔を施した後に、鼻の粘膜にレーザーを焼灼して行います。手術時間は約20分程度です。予約制ですので、ご希望の方は次回以降の手術となります。保険診療で行なうことができます。費用は3割負担の方で左右合計10,000円程度です。 - 舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)
舌下免疫療法は2014年に保険適用された、アレルギー性鼻炎の最新の治療方法で、アレルギー性鼻炎を唯一根治できる治療方法として期待されています。舌下免疫療法はアレルギーの原因となるスギやダニのエキスを毎日少しずつ服用してアレルギー症状を軽快させる治療法です。
安全性の高い治療ですが、稀にアナフィラキシーと呼ばれる重篤な副作用が起こる可能性も指摘されており、治療を行うクリニックには緊急時に対応する「緊急時対応連携医療機関」の登録が義務付けられています。このため、当院では安全に治療を受けていただくために、獨協医科大学埼玉医療センター・自治医科大学さいたま医療センターと連携を取り、「緊急時対応連携医療機関」として登録しています。また、安全に治療を行うために初期の導入を大学病院にお願いしています。当院で舌下免疫療法を行う方は、大学病院に紹介状を作成しますので、まず大学病院で治療を開始していただき、安全に治療を行えることを確認した上で当院で引き継ぐ形を取っています。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、花粉の飛散時期には治療を開始することはできません。治療の開始は6月~12月に限られます。
舌下免疫療法のより詳しい内容はこちらをクリック
以後お気をつけ頂きたい事
花粉症等の季節性のアレルギーは花粉の飛散が始まる前に薬の服用を開始すると、治療効果が向上します。治療薬は1月の中旬ぐらいからの服用をお勧めします。
また、服薬の継続によって治療効果が向上しますので、シーズン中は症状のない日も服薬を続けてください。